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循環器内科

循環器内科

狭心症

全身に血液が循環して、内臓や筋肉などあらゆる組織は血液から酸素や栄養をもらって生きています。全身に血液を循環させているポンプの役目となっている心臓自身も、例外なく血液から酸素や栄養をもらっているのです。

その心臓を栄養している血管が、心臓の表面を走っている冠動脈という血管です。冠動脈は通常、大きく3本(心臓の右側に1本、左側に2本)あり、そこから枝別れした血管によって心臓の筋肉全体に血液が送られているのです。

その冠動脈という血管がですが、動脈硬化によって血管の内腔が狭くなってしまうことがあります。少し狭いくらいでは何ともありませんが、ある程度狭くなってくると、運動した時など心臓がたくさんの酸素や栄養を要する際に十分な血液を送ることができなくなっていまいます。これが狭心症です。

典型的な症状としては、胸がしめつけられたり押されたりする感じがあります。他に胃が痛む感じや肩がこる感じや歯が痛む感じであることもあれば、全く無症状ということもあります。多彩な症状を呈するので、一概に症状だけでその有無をはっきりとさせることはできません。安静にしていると5-15分くらいで症状は治まります。安静にしていても起こるような狭心症であれば、不安定狭心症といって急性心筋梗塞になりかけている可能性がありますので、一刻も早くまずは受診することを勧めます。

冠動脈自体が狭くなっていなくても、血管の痙攣によって血流が悪くなり狭心症となる場合もあります。喫煙時や明け方などに症状が起こり易い場合は可能性があります。

絶対に禁煙しましょう。気になる症状があれば早めの受診を勧めます。

心筋梗塞

狭くなった冠動脈に、さらに血栓ができて詰まってしまった状態です。心臓の筋肉が死んでしまう状態で非常に危険です。よく突然死の原因となったりします。

狭心症のような症状が30分を超えて続く場合は心筋梗塞になっている可能性があります。迷わず救急車を呼ばなくてはなりません。特に、冷汗や嘔気を伴っている場合は可能性が高いため、躊躇してはいけません。緊急で治療が必要です。

一般的に急性心筋梗塞と診断されれば、カテーテルを用いた血管(冠動脈)を拡げる治療がなされます。場合によっては内服加療であったりバイパス手術であったりします。検査を受けた上で担当医から説明を受けて下さい。

急性心筋梗塞となると、とにかく危険です。突然死の原因としても多いので、もし目の前で人が倒れて意識がなかったら急性心筋梗塞の可能性が十分あります。脈が触れるかどうかが重要ですが判断が難しいことも多いので、AED(自動体外除細動器)を用意してもらって心臓マッサージ(胸骨圧迫)をすぐに施行しましょう。(脈が触れたり呼吸や体動があったりすれば、直ちに行う必要はありません。)

不整脈

心臓は絶えず一定のリズムで動き続けています。心臓が正常なリズムで動いている状態を洞調律といいます。心臓は電気が流れて動いているのですが、この電気が流れる通り道のどこかで異常を来たし、正常とは違うリズムで動いてしまう状態が不整脈です。

不整脈には様々な原因があります。例えば、年齢的なもの(加齢によって生じやすくなる)、ストレス、飲酒、カフェイン、喫煙、睡眠不足であったり、心筋梗塞や心筋症や甲状腺機能異常などの疾患によって起こるものであったり、原因は様々です。

不整脈もいろいろな不整脈があります。治療を要するものから様子を見て良いものまで。まずは診断つけて原因を見つける事が重要です。それによって方針は変わります。

動悸が時々起こるけどいつも起こるわけではない、という場合もあります。受診してもその時は異常がないと言われることがあります。そんな時は24時間連続で心電図波形を記録するという検査もあります。

特に多い不整脈に心房細動というものがあります。これは脳梗塞の原因となったりすることがあります。症状がなくこの不整脈になっているという場合もありますので、自分で脈が見られるなら手首のところで脈をとって見ましょう、この時、一定のリズムでなくバラバラな感じであれば心房細動かもしれませんので、受診を勧めます。

脈がとぶような感じがあれば、期外収縮という不整脈かもしれません。原因や程度によって対応は変わりますので、受診を勧めます。

心不全

心不全は正式な病名ではありません。何かしらの原因によって心臓の機能が十分に果たせなくなった状態を指します。従って、心不全と診断するには、心不全という状態になってしまう何かしらの原因・病気があるわけです。

一般的な心不全の症状として、息切れ、むくみ、体重増加などがあります。いつもり動けなくなった、ちょっとしたことで息切れするようになった、体がむくんでいる、などの症状があれば心不全を疑って受診することを勧めます。

心不全の治療は、心不全の原因により違ってきます。まずはなぜ心不全となったのか原因を探ることが大切です。重大な疾患が見つかることもあります。いずれにしてもしっかり治療・コントロールすることが大切です。

息苦しくて横になれない、呼吸回数がとても早い、などあればかなりの低酸素に陥っているかもしれません。すぐに受診しましょう。

弁膜症

学校健診でも市健診でも聴診があると思いますが、聴診の意義の一つに心雑音があるかどうかがあります。

心臓は全身の血液を循環させるポンプとして働いていますが、心臓の中を血液は一方通行で流れています。きちんと一方通行で血液が流れるために重要な役割を果たしているのが、弁というものです。この弁が壊れてしまった状態を弁膜症といいます。心臓の中には4つの弁(肺動脈弁、大動脈弁、僧帽弁、三尖弁)があります。

この弁がうまく開かず血液を送りにくい状態が弁狭窄症、逆に弁がきちんと閉じなくて血液が逆流してしまう状態が弁閉鎖不全症です。どの弁に異常があるかで病名が決まります。例えば、大動脈弁が開きにくい状態であれば大動脈弁狭窄症、僧帽弁が閉じにくい状態であれば僧帽弁閉鎖不全症です。

症状はなくて、健診の聴診で気づかれる事も多いです。進行して症状が出る場合は、心不全となって息切れしたりむくんだりすることがあります。また、狭心症のような胸痛や、意識消失してしまう場合もあります。

聴診と心エコーでほぼ診断をつけることができます。ただ、治療方針は疾患と程度によります。そのためにはさらなる検査が必要になる場合もあります。弁膜症自体を薬で治すことはできませんが、心不全などを予防することが大切です。重症の場合は弁置換術や弁形成術などの手術が必要となります。

自然とは治癒しません。症状がなくても弁膜症と診断されれば、定期的に心エコーなどで観察することが大切です。

末梢動脈疾患

心臓を栄養する冠動脈が狭くなって血流が悪い状態を狭心症と言いますが、同様に足の血管が狭くなって足先に十分な血流が得られない状態を末梢動脈疾患といいます。

軽度であれば無症状ですが、進行すると間欠性跛行(かんけつせいはこう)といって、歩いていると足先が痛くなり休むと次第に改善する、といった症状が出ます。さらに進行すると、歩いていなくても痛かったり、冷感やチアノーゼが出たり、足に潰瘍ができたりします。

症状と検査で診断は可能です。症状がある場合はもちろんですが、症状がなくてもこの疾患があれば足以外の血管も同様に動脈硬化で狭くなっている可能性があるので、動脈硬化が疑われるような状態(加齢、高血圧、糖尿病、脂質異常症など)であれば受診・検査することを勧めます。

喫煙しているのならば、絶対に禁煙しましょう!